ビジネス書で大ベストセラー著書「Zero to One」で有名なピーター・ティール氏のハミルトン大学での卒業式講演を取り上げます。
ここでピーター氏は極めて高い目標、志、気合をもって進めと説きます。今の時代、色々なものが生み出されていると言われているが、それは雰囲気だけで、実際には全然進歩がないんだといいます。
そう見えるくらいには志を高く持つ必要が、ゼロから何かものを生み出すには必要だということです。
本当に何かを生み出せるかどうかは別として、そのくらいの勢い・気合で日々成長を目指すのはいい行動指針ですよね。
ポイントまとめ
各ポイントの詳細を参考動画・リンクをもとに見ていきます。
「毎日をまるであなたの最期の日のように過ごしなさい」 ピーター・ティール
外に出て先生や両親が「できるはずがない」と言っていたことをやる
新しいことをするというのが古き伝統。しかし私たちの現状はどうでしょう。今日、どれだけのものが新しいでしょうか。
時代は急速に移り変わるというが、停滞に近いというのが公然の秘密になっている。
どんどん新しいものが生まれる時代!というのは本当なんだろうか、というのがまず問いかけられています。
AIテクノロジーが進んで世の中とんでもなく変わってしまうかというと、そうでもありません。少し変わっていますけれども。
そんなに新しいものを生み出さなくても、大金が手に入ってしまうルートがあり、少し賢い人間はそれに飛びついて満足してしまっている。
AI界隈の現実を知っている自分としては、非常に刺さる言葉です。本当にシリコンバレー界隈の人々のうち、ほとんどは価値のある仕事を実はしていません。彼らは単によく知られた練習問題を解いていて、それをAI技術開発だと称しています。それは公然の秘密です。
いまや「テクノロジー」といえば「情報テクノロジー」を意味している
しかし1960年代では、テクノロジーという言葉はもっと広い意味を持っていた。飛行機や医療、肥料、原料、宇宙旅行。テクノロジーはあらゆる領域を前進させ、水中都市、月面観光など計り知れないエネルギーの世界へと導くものだった。
しかし実際は停滞してしまっている。
結局、情報テクノロジーに圧倒的にお金が集まってしまっていて、イージーマネーでバブルになってしまっている。それはITバブルがはじけてもまた、AIバブルで復活しました。もうバブル崩壊は間近だとみていますが。
なぜならそれだけの価値がないからです。
それの何が問題かというと、AI界隈・情報界隈が過大に評価されるということは、そのほかのフィールドが過少に評価されるということです。すなわち健全な投資が集まらず、世の中は停滞してしまっています。
親しみのある道や伝統は、決まり文句のようなもの
ありふれたものであり、ときどき正しいように聞こえる。しかしたいていの場合、一定の反復によってのみ正当化されているだけ。
本当に新しい、価値のあるものを生み出すというのは、並大抵のことではありません。
親しみのある道から外れる必要があります。それは本当に勇気のいることです。しかし世の中の流れに身を任せていては、新しいものなど生み出すことはできません。
ましてやAIが流行っているからといって、そればっかりやっていては絶望的ですよね。
毎日をあなたの最期の日のように過ごしなさい
あるいは「毎日をまるで永遠に続くかのように過ごしなさい」あなたが今日選んだ選択はとても大きなことを意味している。その選択による結果は発展し続けるから。
この世に不可能はない。可能だと思っている人だけが成功する。
不可能を打ち破るのは信念と毎日の努力。
今の瞬間を考え抜いたうえでベストの選択に従って行動するべきです。
それがどんどん将来的に大きくなっていきます。
Zero to One
どうせ無理と洗脳されている状態=学習性無力感
一度無理だと信じると、行動することができない。周囲の人間が、無理だと洗脳してくる。「そんなの無理、世の中甘くない」
人間は常に周囲の影響を受けてしまう。
周囲の人、常識人が可能性の芽を熱心に摘んでくるのは実際にありますよね。
その周囲の人は悪気があってやっているわけではなく、あなたを本当に心配して、思ってやっているので困ったものですが、仕方がありません。
なので、その心配はありがたく受け止めつつ、己の信念は曲げないでいきましょう。周囲の妥当な批判については、真摯にこれを受け止めつつ、深く考えるとよいと思います。
実際に不可能ということもありますが、的を射た批判についても注意深く考えるべきです。それが根拠のない先入観によるものか、考慮に値するものか。
自分がなりたい人の近くに行く
圧倒的にすごい人に接し続けると、学習性無力感が消える環境が変われば、常識が変わる。今いる環境の当たり前は、環境によって変わる。
ネガティブな人間とはなるべく距離を置く。
周囲にいる人、すごい人にふれるとこんなことができるんだ、というのを具体的に実感します。
これは非常に大きくて、どの程度がんばれば、どのくらいできるという指標ができることは、ゴールが見えないよりもずっとよい状態です。
最近2時間を切るマラソン記録が出ていましたが、これはペースメーカーを41人も使う特殊な環境で行われています。
www3.nhk.or.jp
これは大げさですが、実際に周囲の人がぐいぐい走っているのをみれば、どのくらい頑張ればどのくらいの成果が出るというのがわかりますよね。
本や動画で成功者を周りに置く
成功者と知り合うことが難しければ、本や動画で自分の周りの5人をつくるビルゲイツ・孫正義・スティーブジョブズを周りに置くことだって可能。これが本を読む意味。
本を読むことを通じてアップデートを続ける。
周囲にすごい人がいないぞという人には特に書籍、あるいはいまでは動画で親しみがもてるまで見ていくのがいいですね。
最近はとくにライブ配信を続けているYoutuberなどからずっと聞いている人をつくると、それがまさに周囲の人として機能します。
理系学生さん向けであればヨビノリ先生だとか:
www.youtube.com
人文系の知識を駆使して世の中の不正義を舌鋒鋭く切り込むえらてん先生だとか:
www.youtube.com
筋トレだとカネキン先生だとか、たくさんいますよね、筋トレ系Youtuberの方たち。みな面白いですね。
www.youtube.com
おおすごいスキルだと思わせるものに触れるのがいいですよ。とてもいい刺激になります。
その人たちの考え方に触れると自分も本を読みたくなるし、筋トレしたくなりますよ、実際。
環境のせいにしてその場にとどまらない
環境が悪いのならば、新しい環境に飛び込むのは自分の責任。環境に不満があるならば、環境を変えるための行動をとる。
本を読む、ミートアップに参加する、インターンに参加する。自分が受ける影響を変える努力をする。
特に家を出てイベントに参加するのはいいですよ。
たとえば基本的にただで参加できる、スゴイ人がどかどか講演する東京ビッグサイトのイベントなどは出てみるとおすすめです。
www.bigsight.jp
毎週のように違うイベントを各種業界のすごい人を集めてやっているんですよ。これを生で見るのはいい刺激ですよ。
まとめ
無から有を生み出すというのは非常に大変というか偉業のレベルなわけですが、それですら日々のプロセスの積み上げですよね。
自分の成長を加速させ、限界のスピードで成長し続けることを目指すのがその一つ。
究極の自分磨きを続け、毎日自分の最期の日という覚悟で臨むくらいの心持ちではじめて、Zero to Oneが生み出せるわけですね。
しかも中途半端にお金を稼げるちょっとした応用ではなく、本当にゼロからなにかを生み出す革命を目指す志の高さが大切です。