PDCAサイクルとは、計画・実行・検証・改善という一連のながれを意識して行い、着実に物事を進めていくための基本フレームワークです。
しかしなかなかこれをちゃんと実行するのは難しいんですよね。理屈ではわかるのですが。
ただでさえできないのに大ヒット本「鬼速PDCA」では、人の10倍の速さで成長する!をモットーに、鬼のようなスピードでPDCAを回していくポイントを説いています。
ただでさえ難しいのに、鬼速でやるというのはどうか、と思うかもしれませんが、かえって早くやった方がうまくいく部分もあります。というか要するに着実にPDCAを回すにはこうした方がいいというポイント集になっています。
PDCAか、あるいは類似の手法でもよいのですが、計画を立てて、改善していくという積み上げの手法を確立できていれば、どんな目標でもぐいぐい近づいて行けます。
ポイントまとめ
各ポイントの詳細を参考動画・リンクをもとに見ていきます。
「鬼速PDCA」のポイント!
本物のPDCAでは「完了」という概念がない
「計画→実行→検証→調整」を繰り返し成長を続けること。一般的に「改善」といわれるところを「調整」としている。
PDCAのループがとまらずに続く意識が重要ですね。改善して終わりということはなく、調整して次につなげる、基本的には終わりのないサイクルです。
結局なんであっても継続が重要ですからね。複利でどんどん成長していくことを意識します。毎回10%の成長を続けるとすると、7回目にして2倍のポテンシャル、12回目にして3倍のポテンシャルになります。
数字上の複利計算はごく参考までですが、繰り返すことで成長が加速する感覚が大切です。だからこそ、1本道でゴールを目指す計画を立てるのではなく、繰り返し調整しサイクルを回すことが重要なわけです。
大きなPDCAの下には、小さいPDCAがある
枝葉は無限に広がる。大きなPDCAから小さなPDCAまで、いかに早くサイクルを廻すかがポイント。計画倒れを恐れる必要はない。すべてのPDCAは目標達成に向けての方法論であり、従っていれば必ずゴールにたどり着くもの。
計画を立てて、これが実行できないと、もうやる気がなくなってしまうということになりがちです。でも計画をたてて、これを意識していることが重要で、計画がうまく進まないことを恐れてはいけません。
また改善して、計画を立て直せばいいだけです。このとき反省を踏まえて調整します。
それでは計画が意味がないかというと、あります。ガイドラインがないと、目標を見失って時間を浪費することになってしまいます。
鬼速でサイクルをまわすには、各ステージで何をすべきかを明確化する
「持久力をつける」という行動計画では、行動に移せない。行動をタスク化する。計画のステージでは、「朝起きたら5キロはしる」など具体的なタスクにする。慎重になりすぎるとサイクルを廻す速度が落ちる。
タスク化するというのは、これ以上ないくらい細分化して、あとはその動作をすればいいというだけにしておくということですね。
実行する前にいちいち考える余地があるようでは集中できません。せっかく計画フェイズがあるので、考えるのは計画まで。実行するときは実行にのみ集中。そして検証・調整フェイズでまた考えるということです。
なにしろ実行が一番大切なので、ここは実行すること以外気にしないということですね。
PDCAのゴール・期日を定量化しておく
期日は長すぎてもよくない。1か月から3か月程度が目安。
多くの企業は決算のサイクルの関係上、3か月を1単位で動いていたりしますが、個人の成長を考えると少し長いかもしれませんね。
つまりビジネス上のプロジェクトで複数人が動くような大きさのPDCAであれば3か月程度、個人であれば1か月くらいまでが見通しの良い計画・実行ができるサイクルだと思います。
スケジュール帳ではマンスリーの計画をかくページがありますが、あのマンスリーのページごとに計画を立てていくのが一番やりやすいと思います。途中で出てきた課題を次の月の計画ページに書き込んで置き、次の調整・計画フェイズで考慮に入れていきます。
計画段階でのポイントは因数分解能力
目標や現状を構成する因子を思いつく限りリストアップ。あらゆる視点で計画を検討しやすくなる。課題解決のための選択肢の可視化、目標が達成可能だと思いやすくなる。
因数分解の段階では、なぜなぜ分析を5段階行う。
実行しやすい計画を立てる、タスクに落としていくには、とにかく因子をすべて出し切るということですね。
あらいざらい因子を出すのはGTD(Getting Things Done)のプラクティスでも出てきます。
因子を出し切るフェイズを作らないと、計画の外にやらなきゃいけないことがあったな、と常に頭がもやもやしている状態になり、実行に集中できません。一番避けたいのはこの状態です。
計画は迷うことなく取り掛かれるレベルに細分化
タスクを分解するTODO化でやるべきポイントを洗い出す。6W3H(Who, Whom, When, Where, What, Why, How, How many, How much)に分けて細かく設定する。
タスク分解の一つの指針として、これら疑問形を駆使するというのが定番ですね。
こういうとき、疑問詞から始まる英語は便利で分かりやすいですよね。
疑問形があらかたこれでカバーされているというところがすごいところです。
ただこの9個の疑問文がすべてクリアにうまるとは限らないので、そこはあんまり考えすぎなくてよいです。
最強のビジネススキル・鬼速PDCA
KGI、KPI、KDIの3層構造でパフォーマンスを測定
KGI=Key Goal Indicator、KPI=Key Performance Indicator、KDI=Key Do IndicatorKGI、KPIは一般的な指標。そのKPIをブレイクダウンしてタスクをやったかやっていないかを測るKDIを設定する。
コントロールできる行動をまずしっかり管理することが重要。
要はTODOタスク単位で管理する。TODOを管理する、といっているわけです。それ以上分けられない粒度で管理すればあいまいさを避けられますからね。
3階層にすると大変かもですので必要に応じて考えます。要するに究極的にやりたいことにどう向かっているかを、タスクと結び付けて測定する目的のため、よいやり方を探っていきます。
大きな取り組みであれば3階層、そうでなければ2階層くらいがよいでしょう。タスクだけだと、どこに向かっているのかわからなくなる可能性があります。
まとめ
PDCAというと大げさですが、
- 自分のやりたいことをもれなく整理
- 細分化して実行可能なタスクに落とす
- 繰り返し計画を調整する
というサイクルが優れているということですね。1本道ではなくサイクルを回すというモデルです。
ソフトウェア開発でも、ウォーターフォールからアジャイル開発という風にサイクル型の開発にシフトしています。
これも考え方は同じで、ウォーターフォールだとゴールが当初想定と違うところに着地してしまうとか、ちょっと考えられない大事故が実際に起こります。
それで頭をひねって考えたのがサイクルを高速で回す開発手法です。本質の部分は共通しています。