AI活用で重要なのは、どんな活用ができるかを知ることです。うまい活用事例をしると、どんどんアイディアが膨らみます。
ここでは農業へのAI活用の事例が紹介されている記事をみていきます。
AIのすごいところは、電気機器的なものへの応用に加えて、現実世界との接点をもつことができ、これを情報として処理できることです。
うまいアイディアがあれば技術的な困難さがない領域でも十分面白い効果を出すことができます。そんな事例をみていきます。

ポイントまとめ
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規制対象の小型マグロを検知 網を開いて逃がす | |
病害虫を識別し、最適の農薬を選ぶ 効率よく防除することが可能 | |
音の認識から豚が風邪をひいているかを認識して隔離 豚の風邪の流行を防ぐ |
各ポイントの詳細を参考動画・リンクをもとに見ていきます。
AIで1次産業を革新 マグロ識別、風邪引き豚検知も
規制対象の小型マグロを検知
AIが漁網にマグロが入ったと判定したら、漁師のスマートフォン(スマホ)に通報して網を開きマグロを外に逃がす。すぐに死んでしまう小型マグロの捕獲を回避できる。他の魚も逃げてしまうが、実験で効果を調べると、損失は3%にとどまった。
なかなか海の中の漁網に入ったマグロを高精度で判定するというのは難しいと思いますが、いいアイディアです。海の幸を守り育てながら、必要十分な量を収穫するのが重要で、特に必要のない魚の捕獲は避けねばなりません。
まだ網に入ったと思われる場合に通知する、という機能だけですが、これがどんどん進化すると、自動で網を操作して、適切な獲物のみを捕らえ、必要のないものを逃がすようになると思います。これって夢の網ですよね。ドラえもんなどで出てきそうです。

病害虫を識別し、最適の農薬を選ぶ
生産額の多いトマトとイチゴ、キュウリ、ナスを対象に約80種類の病害虫の計10万枚の画像を24府県の試験機関から集め、AIに学習させている。この4品目の病害虫は約600種類にのぼる。農業従事者が高齢化するなか、種苗の輸入拡大で病害虫は増えている。熟練していない人でも病害虫を素早く診断し、適切な対策が必要になっている。
これまた素晴らしい。考えてみると農薬って、虫の種類まで見て薬品の種類や量をそこまで細かく調整しないですよね。
そこをうまく突いた考え方です。どんぶり勘定でやるのが当たり前のところをしっかり最適な量にすれば、農薬代も減らせますし有害な影響も減らせますね。完璧です。

音の認識から豚が風邪をひいているかを認識して隔離
豚は肺や気管支が小さく風邪をひきやすい。豚舎で流行すると成長が遅れ餌代もかさむ。AIでくしゃみやせきの音を捉えて風邪の豚を見つけて早期に隔離する狙いだ。同社の増田有一郎研究員は「飼育柵が出す金属音がせきの音に似ている。AIで聞き分けたい」と話す。
これまた非常にうまい応用例だと思います。考えてみると検出が非常に簡単で、それでいて効果が高いという素晴らしい活用法です。
AIというと頭がいいとかそういう勘違いが多くて困るのですが、良い応用というのは人間がやれば別にどうという作業ではないものを自動的に、24時間ずっとやり続けられるということです。
そういう内容の作業であれば精度も高く、そして疲れを知らずやり続けられる。これが大きな違いを生み、世界を変えることにつながります。
