今回は現代自己啓発系の開祖ともいえるスティーブン・R・コヴィー 氏の『7つの習慣』のポイントをまとめます。
自分が最初に読んだのは20年以上前だったと思いますが、いまでも鮮明に自分の人生観、世界観が変わったことを覚えています。そこそこ分厚い本でしたが、飛ぶように読みました。
以来、自己啓発系の本は7つの習慣に色濃く影響されたものであふれることになりました。そのくらいのインパクトがあり、いまでも原点にして最強。なにか一冊を選ぶならこれ、という座に君臨しています。
何度でもこれら7つの習慣をかみしめ、味わっていく価値があります!
ポイントまとめ
各ポイントの詳細を参考動画・リンクをもとに見ていきます。
7つの習慣まとめ
内面を磨く人格主義を養うべき
人格主義を磨いていくための具体的な習慣をつくるのが「7つの習慣」。
ただビジネスで成功する、お金持ちになる、だけでは幸せは手に入れられません。
「謙虚、誠意、誠実、勇気、忍耐」こうした側面をしっかり伸ばし、周囲の人々とともに幸せになってこそ本物の幸福を手に入れられるということです。
お金や地位を得ているものの、周囲の同僚らからは軽蔑されている人はたくさんいますよね。若くして社会的地位を得た人でも、周囲から嫌われているようでは真の幸福には程遠いところにいます。それはまやかしの成功だからですよね。
本当に実力があり、本当によい成功を収めていれば、周囲の人間にも笑顔があふれ、応援があふれ、尊敬があふれているはずです。
そうした状態を勝ち得るためにはどうすればよいか。それを説いたのが7つの習慣です。一つ一つかみしめながら、身に着ける、あるいは少しでもそれに近づけるように意識して行動していきたいです。
第一の習慣:主体的である
どのような感情が沸き上がっても、理性の力で自らの価値観に従って行動を選択する。
「すべての出来事は単なる現象、肝心なのは自分がどう反応するか」という感覚を身に着けるのがまず原点です。これはつまり、何が起ころうとも、自分の解釈の力でよいことにも悪いことにもできる、という能力を身に着けるということです。
大好きな女の子にこっぴどく振られても「もっといい女の子にであるチャンスができた!」「よりモテる男に成長できるきっかけができた!」というようなポジティブな発想が自然と沸き上がり、うきうき出来るかどうかがポイントです。
とりあえずどんなにひどい目にあっても、理不尽な目にあっても、それは大きな自分の成長の機会になることはまず間違いない真実です。なのでよい側面は必ずあり、問題はそこに目を向けられるかどうかです。
くよくよと失敗を悔やむ、人を恨む、悪口を言う、愚痴を言い続ける、というのは最悪の行動で、せっかくの成長の機会を失ってしまいます。
第二の習慣:終わりを思い描くことから始める
日常の細かいことに振り回されず、人生を望まない方向へ進めないようにする。
どのような人間になりたいか、人生を通じて何をしたいのか、土台となる価値観は何かを考える。
「人生の最終的なゴールを常に頭に入れて行動する」とは、人にどう思われ、どういう仲間や家族に囲まれて人生のゴールを迎えたいかということを常にイメージするということですね。
つまりは究極の目標を見失わず、日々の些細な事柄に敏感に反応し、人間関係を損ねたり人間性を損ねたりしないようにするということです。
平和な世の中で暮らすことを望むのであれば、平和を目指してこつこつ行動するべきですし、周囲の人に悪口を言われないことを望むならば、あまり狡猾に出し抜いたりして一時の勝利に酔いしれるということはすべきではありません。
第三の習慣:最優先事項を優先する
緊急度は低いけれども、重要度は高いことを最優先で行っていく。
「7つの習慣」のなかでもっとも有名かつ困難な習慣作りがこれです。ほとんどの人は、緊急度が高いものでTODOリストが覆われていて、本当にやりたいことは後回しにしています。
これはもう致し方ない部分もあるのですが、しかしながら、自分がしたいことを意識して優先しなければ、いつまでもしたいことをする時間がやってきません。
自分も来月は暇だから、と常に思い続けて20年は同じ状態ですね。それはたんに具体的なスケジュールが埋まっていないだけで、2週間前になってくれば埋まってしまうわけです。
なので自分にスケジュールを入れるようにしています。これは間違いなく有効です。単に先んじて自分の時間をスケジュールに入れておくだけでOKです。まずはそこから始めましょう。人に言われて動くだけでは人生面白くないですよね。
第四の習慣:win-winを考える
すべての人間関係においてお互いの利益になるような結果を見つける。
すべての人と協調する土壌を作り出す。
交渉をするときは、相手に自分の言い分を押し付けるのではなく、常にwin-winを目指します。それは部下であってもそうです。部下は上司の言うことを聞かねばならないというのは組織のガバナンス上ある程度仕方がないと思ってやっていますが、本当によいのは、部下もそうしたいと思って動いてもらうことです。
そのためには、部下の成長になる、評価になるポイントを互いに納得したうえで探し出すということがポイントです。これは部下に限らず、上司、仲間、家族、周囲の誰にでも当てはまります。
これを習慣づけることで、個人では成し遂げられない仕事を、周囲のみんなが幸福になる形で実現できるようになるということです。
第五の習慣:まず理解に徹し、そして理解される
互いに協力し合うためのコミュニケーションの習慣。
お互いに相手のことを理解することが、協力し合うために重要。
特に苦手な人と雑談するのが重要といいますよね。
苦手な人とはコミュニケーションが疎になって、疎になるからますます苦手になる。そういうサイクルに入ってしまってはまずいわけです。
つまり苦手だと思っているのは、コミュニケーションがおろそかになり、互いにwin-winのポイントを見つけるのが難しい状態ですよね。
第一歩を踏み出すためには、こちらがまずは譲歩して相手のためになることをするのが一つの方法です。これは単なる譲歩ではなく「返報性」を用いて自分もwinを勝ち取ろうという作戦です。
第六の習慣:シナジーを作り出す
シナジーとは、全体の合計が個々の部分の総和より大きくなること。
シナジーを生み出す条件:
①お互いが自立しあっていること
②win-winを考えられること
③お互いが違いを受け入れ尊重しあっていること
AIの世界では「創発」といいますが、個々の個体の機能では説明のつかないようなことが生まれるという現象は世の中たくさんあります。アリ塚なんかはその典型です。
gigazine.net
この創発現象はうまくおこせるときわめてパワフルです。ただしコントロールして起こせるものではないのですが。
コントロールはできないものの、創発が起こりやすい土壌を作っておくのがこの習慣ですね。必要条件というわけです。十分ではないかもしれませんが。そういうことを意識しておくだけでまずはいいですね。
うまくいくと、GoogleやApple、Facebookのような成功物語、いくつもの偶然や出会いがとんでもないパワーになるということが実現されます。
第七の習慣:刃を研(と)ぐ
六つの習慣を身に着け、精神面、知性面、社会面、肉体面を高める。
個々人がそれぞれの内面を高め、そういう人たちが集まる。そういう社会ができればとてつもなくパワフルに物事が進みます。人口減少を嘆いても仕方がないですし、ロボット技術があれば単純労働はカバーされるわけなので、そこまで恐れる必要はありません。
その分、自分の内面を磨き、周囲の人と協調して巨大なパワーをそれぞれ創発できるようにしていけば人口減少だってひっくりかえせます!互いの力を高めあって世の中の課題をつぶし、良き社会を作っていきましょう。