デール・カーネギーの名著『人を動かす』のポイントをまとめつつ、人を動かす技術のポイントを挙げていきます。
特にビジネスにおいては、自分が何でもかんでもやるスタイルでは早晩頭打ちになり成長が止まってしまいます。一人でできることに限りがあるのは全人類共通であり、偉業を成し遂げている人はほぼ例外なく、チームでその業績を達成しています。
となると、うまく人とつきあい、思い通りに動いてもらう技術が極めて重要ということです。特に自分の能力に自信がある人ほど陥りがちな、独りよがりな行動を低減させていくことは自分の能力を伸ばすことと同等以上に重要であることを意識すべきです。
ポイントまとめ
各ポイントの詳細を参考動画・リンクをもとに見ていきます。
【8分で分かる】人を動かす
批判や非難をしない
人に対して批判や避難をしても、それは有効ではないということです。
人は自分が正しいと思っている。批判されると自分を正当化する行動をとる。結果として誰も得をしない。重要なのは相手への伝え方。
批判をしても反射的に人は自分を正当化する行動をとってしまうので、誰も得をしないというわけです。どうしても何かを言いたい場合は、事実と、それに対する自分の感じ方を伝え、そのあとは相手と議論して考え方を話し合うのがよい方法とされています。
素直で誠実な評価を与える
人を動かすにあたって、その人の長所を伸ばしてぐいぐい活躍してもらうのが一番ですよね。その方向にもっていくには、素直に評価を伝えるのが一番です。
うすっぺらいお世辞は必要なし。長所短所を的確に述べ、相手の長所に目を向けて重要であることを伝える。
相手の得意分野において、お世辞はまったく通用しないし、参考にもならないので注意ですね。
相手の立場にたつ
徹底して相手のためになるようにふるまうのが基本的なポイントですね。相手の立場に立てるということは、相手のことをよく知り、対話を十分している状態であることが前提です。そういう態度がまず重要ですよね。
人は自分を中心に物事を考えてしまう。人を動かすときには自分のほしいものではなく、相手のほしいものを考える。釣りをするときは自分の好物ではなく、魚の好物を餌にする。自分の意見ばかりを通そうとしても意味がない。
相手を打ち負かしても、それで人を動かしていても長くは続きません。
会社のなかで、恐怖政治をひいてガバナンスするタイプの上司がいますが、成果が短期間で上がらなかった場合に内部の批判が渦巻き、とても長期的な成長の土台を築くことはできません。
頭ごなしに相手のことを下に見て教育してやるという姿勢も厳禁ですね。会社は学校ではなく、しっかり相手を尊重するのは絶対条件です。
【カーネギー】人を動かす 厳選した6つのコミュニケーションの鉄則
笑顔を見せる
人間関係の基礎が笑顔ですよね。笑顔でない人には本音で対話をするということはほとんど考えられません。
笑顔は人を引き寄せる力を備えている。我々は楽しいから笑顔になるのではなく、笑顔になるから楽しいと感じる。
笑顔を作れば楽しくなる、というのも重要な真実です。
また常に笑顔を振りまいている行動をとっていないと、悪いニュースが入るタイミングが確実に遅れます。これがビジネス上最悪なんですよね。常に相手のことを考え、協力的な姿勢で、笑顔をみせていれば、情報はすぐに入ってきます。言いやすいですからね。
相手の名前を覚える
これがうまい人は、やっぱりすごいと思います。
名前で呼ぶだけで相手に有用感を与える。さらに相手の専門分野、趣味、家族、誕生日、熱中していることなどをすべて覚える。名刺の裏や連絡先にメモをするといい。
自分は超重要だと思う人については、会議の後に顔を思い出しながら似顔絵を名刺にかきます。うまく書く必要はなく、特徴をとらえて描けばOK。ひげだとか、目が大きい、メガネの特徴、なんでもOKです。
これは確実に顔と名前を一致させられますよ。
相手の話を聞く
むしろ自分の話を聞かせるというのは、よっぽど聞かれない限り必要ないですよね。聞かれても簡単に答えて相手に質問し返すくらいの姿勢でよいです。
相手には自分のことを話してもらい、心から評価・賞賛・尊重を示す。
- 一言も口を挟まず、相手の話を聞く
- 相手の立場に立ち、議論を行う
- 相手にどうしてほしいのかを聞く
人間の興味・関心はつねに自分。
自分への評価のことを気にしない人物は誰一人いないわけで、そこをうまく突いてあげれば間違いなく話は盛り上がりますし気に入ってもらえますよね。
ビジネスに限らず恋愛などでもそうです。相手の話を聞き、それに対する評価・尊重を示していくと心を開いてもらえます。