心理テクニックのなかには、ほんまかいなと思うものもたくさんあったりしますが、なかには実感をもってこれはほんとにそうだよな、と思わされるものもありますよね。
しかし明示的にこれを意識しておかず、無意識のうちに放置しておくと、逆に利用されてしまっているかもしれません。
特に人を操る系のはなしは、しっかり研究してテクニックを身に着けている人に対して、無意識のままで接するのは危険です。操りに来ている人がなにを狙っているのかは、知っておく必要があります。
つまり人を操ろうという意識はなくとも、これにまつわる心理テクニックを理解しておくことで、自分の判断力を正常に保つことができます。
ポイントまとめ
各ポイントの詳細を参考動画・リンクをもとに見ていきます。
【11分で要約】影響力の武器【情報商材屋の仕組みを解説】
返報性(へんぽうせい)の原理
何かしてもらったら、何かをお返ししなければならないと思ってしまう心理。小さな貸しで大きな見返りを得る。スーパーの試食を無理やりさせると、その商品を買わないと悪いと思ってしまうことを利用した商法など。ほしくないものをもらっても発動。しかもより大きなお返しをしたくなってしまう。
ショッピングモールでケータイ屋さんがくじ引き・ビンゴをさせたうえで、話をするきっかけを作るものもよく見ますよね。
これは抗いがたいパワーがありますので、半ば強引になにかプレゼントを押し付けるくらいでも返報性が発動します。
「情けは人の為ならず」という言葉がありますが、これは情けをかけるのは人のためではなく、結局自分のためになるということです。まさにその通りですので、どんどん情けをかけていき、しかも返報性を利用して相手をコントロールしやすい、ということを理解しておくとよいですね。
仕事上の後輩と飲みに行ったら、多少無理してもおごった方があとで得です。おごるチャンスがあったらどんどんおごっていきましょう!
コミットメントと一貫性
一度宣言したら撤回できない心理。なにかをコミットさせたら、後戻りしにくいことを利用する。人間だれしも自分は筋が通っていると思いたいもの。しかし実際はブレブレであるというギャップを利用。自分は正しい判断をしたと思いたいもの。自分が正しいと信じるための情報をあつめて一貫性を保とうとする。高額な商品であればあるほど陥りやすい。
これは分かりますね。何か人の前で意見をいってしまうと、自分に都合のいい情報ばかりを集めだしてしまいます。だれしもありますよね。そのためどんどん意見が強固になっていってしまいます。
テレビなりカメラなり、高額の製品を買った場合、そのブランドを応援したくなるというのも、この一貫性の心理ですね。キヤノンなりソニーなりパナソニックなり、なにか高額商品を買ってしまうと、自分が正しいと信じます。信じたくなります。
その結果、例えばレビューでもほめてるレビューばかりみるようになります。一眼レフカメラを買った場合、レンズをどんどん買いたくなるのもこの心理の延長ですね。
どうにかして高額商品をお買い上げいただくことに成功したら、あとはどんどん耳より情報を入れて、追加のお買い上げを狙いに行くことが可能になります。
権威を利用する
権威を見せつけられるといいなりになってしまう心理。SNSのフォロアー数なども一つの権威になりうる。タレントが商品をすすめると有効なのは、この権威を利用している。「インフルエンサー」も肩書か、フォロアー数か、PV数、再生数、チャンネル登録数などを権威として見せつけ、正しいと思わせるテクニックを使っている。
たとえばチャンネル登録者数をみて、信頼できるチャンネルかどうかをある程度判断するってことはありますよね。だからこそチャンネル登録者数をお金で買うという行為が結構あるわけです。
ゼロから地道に積み上げるより、数万のチャンネル登録者数を一気に作ってしまった方が、そのあとの伸びが全然違いますから時間の節約になります。
ベンチャー企業なんかだと、CTO(チーフテクニカルオフィサー・技術責任者)などの肩書をどしどし人につけることで権威づけする戦略などがありえますよね。肩書はどんどんつけてしまった方がいいと思います。ケチる意味はあまりないでしょう。
もちろんおかしな肩書をつけてしまうと、会社や組織の信用を失うリスクはありますけれども。
人の心を動かす魔法のフレーズ!(星渉/Hoshi Wataru)
社会的証明
自分の選択が間違っていない証明がほしい、支持されたいと思う心理がある。「みんながしています」「みなさんされていますよ!」という言葉に影響されやすい。ほかの人につられて行動しがち。
「この商品が一番人気です、皆さん選ばれています」というフレーズは、自分にとってはまったくピンときませんが、友人にはこれを非常に気にするひとがいてびっくりします。
なので効く人にはかなり効くというのが実感ですね。
自分の判断にちょっと自信がないタイプの方はこのような同調系に弱いかもしれませんね。
なので、何かを説得するときに、だれかの同意を得ているということを添えて説明すると成功率がぐっとあがるといったところですね。
まとめ
人を操る手段を知っておくことは、これを自分で意識して使うかどうかは別として、むやみに操られないように各心理をしっかり理解しておくとよいですね。
そして自分の仕事なりミッションで、自然と使える心理法則があればしっかりこれを織り込んで日頃の業務プラクティスに落とし込んでおきたいですね。その場で考えてやるのは大変ですからね。
自分の場合、返報性が一番使いやすいところですが、これも仕事・ミッションで全然違ってきます。各自で一番ピッタリはまるシナリオを見つけておくのが重要です。自分の性格、得意な動きで最も適した手法を考えるのも大切です。